土間とホール床の高低差・玄関の広さ
玄関から取次の間までは、一般的には土間・沓脱石・式台・上り框・取次の順で構成されます。沓脱石や式台は省略されることもあります。また、上り框のかわりに、柾目のマツ・ケヤキ・クスノキ・カエデなどの一枚板を納めて使う方法もあります。
昔の格式の高い玄関では、土間に立った人と迎える側の取次に座った家人との目の高さが一致する玄関の広さように、土間からホール床(取次)までの高さが50〜60㎝ もありました。しかし、現在では、このような高低差のあるつくりは、民家や寺社建築以外ではほとんど見られません。
上り下りに楽な寸法は、段差15〜20㎝ といわれています。高齢者の使いやすさ、靴の脱ぎ履きの便利さを考えると、土間(沓脱石)とホール床の間に式台を設ける場合でも設けない場合でも、段差は18㎝以下が適当です。
式台を設ける場合は、奥行は25〜30㎝ くらいが適当です。最近は式台も省略し、幅木と上り框だけにして、段差を12〜15㎝ くらいに低くしたつくりも増えています。ただし段差をあまり低くすると、中途半端でかえって危険です。
和風の趣を大切にしながら段差を低く抑えたいのなら、薄い沓脱石を置いて、ホール床との間には一段の高さが18㎝ 以内になるように必ず広めの式台(踏板)を設けましょう。