千利休の影響/床飾りの変化
当初から床飾りの中心は絵画や法語の墨蹟の額や掛け軸でした。侘び茶の創始者である村田珠光(しゅこう)から武野紹鷗(じょうおう)までの時代は、絵画を第一の床飾りとしていました。
これを変えたのが千利休です。利休は「茶禅一味」の思想から求道の精神を大切に、それを法語の墨蹟を第一に変え、さらに侘び茶を追い求めていく中で、季節の花を第一の床飾りに位置づけました。季節に応じた「時の賞しょうがん翫」である草花こそ、主人のもてなしの心を表すのに最適と考えたのです。床壁に竹筒を吊るし、掛け軸ではなく花一輪を生けるようにした床の間もあります。