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基礎知識寸法の調和がポイント

寸法の調和がポイント

日本の住宅は、平面の広さや天井の高さのバランス、そして各部材(柱・長押・鴨居など)の寸法の美しい調和が最大のポイントです。書院座敷をつくる場合の基本になっているのが、江戸幕府の大棟梁であった平内家の伝書「匠明」の木割図です。

ただし、そこにあるのは床の間と床脇の間口が4間以上もある、大寸法の大座敷の木割です。当時は、身長も5尺(156㎝ )ほどの時代でしたので、そのまま現代の床の間には使えません。これを応用しながら現代の床の間の木割を考える必要があります。

かつての大広間のような座敷は旅館や料亭などだけで、一般住宅では見られなくなりました。現在、多くの座敷は8〜12畳くらい。それに対応する1.5〜2.5間ほどの床の間と床脇の間口に対しては、床の間1・床脇1の比率が一般的ですが、床の間5・床脇3くらいの方が、バランスがとれます。間口が2間なら床の間7尺・床脇5尺、2間半なら床の間9尺・床脇6尺の割合がいいでしょう。
 
6畳以下の小和室なのに、間口0.5〜1間、奥行半間の床の間を設けている例が見られます。これでは少し深すぎてチグハグな印象を受けます。全体的なバランスを考えれば、奥行きは60〜75㎝ 程度が無難でしょう。

また、小和室には堅苦しい本床形式の床の間は不釣り合いです。自由で和らいだ床にした方が風雅に仕上がります。