上段床・残月床
上段床は最も格上で古い形式の真の構えの床の間。かつては将軍や貴人が謁見する会所で一段高くした2〜3畳の間があります。書院・床脇などの座敷飾りをはじめ、側面壁に帳台構えも多く見られます。床柱は角柱、漆塗り框、床壁は貼り付け壁(現在は聚楽壁など土壁)です。
残月床は千利休が切腹した聚楽屋敷色付九間書院の上段床を本歌としています。吉田五十八・村野藤吾・堀口捨己ら現代数寄屋の巨匠が好んで用いた上段床(残月床)は、それを写した表千家残月亭の残月床をもとに変更を加えたものです。上段床の床の間の畳を座敷より一段高く2〜3畳の間とし、その横(または手前)を2〜3畳の畳敷きとし、そこに付書院を設けた床の間です。その後も多くの建築家が、現代風の上段床・残月床に挑んでいます。