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基礎知識室(むろ)床 (塗り回し床)

室(むろ)床 (塗り回し床)

床の間の内壁・入隅・天井までトンネルのように土壁で丸みをつけて塗り回した床の間です。

洞床では聚楽壁などの壁の端側面を薄板を使った左官刀刃仕上げにするつくりが大半ですが、薄板を使わない場合は左官職人の腕が決め手です。上手な左官職人が少ない中で美しく仕上げるコツは、曲線部や各先端部分に壁と同じ色・質感の合成樹脂系塗料をガンで数回吹付けて、厚み・立体感を出すことです。有名な室床には、千利休の唯一の遺作と伝えられる国宝の妙喜庵待庵(京都府大山崎町)があります。