「真」「行」「草」構えとバランスを考えて
厳格な格式の「真」の床の間と、柔らかな「行」「草」の床の間では使う材料にも違いがあります。真から行・草になるにつれて野趣の味わいある材料に、塗りから木肌を生かしたものに、角材から丸太へ、柾目から変木へと変化していきます。
床柱には和室全体とバランスがとれる品のある材料を選びましょう。床柱だけが目立つようではいけません。
角柱は真の構えでは柱の正面(見付け)の両角を斜めに大きく面取りし、行の構えでは真よりも小さく1/ 15〜20くらいに面取りします。また、相手柱との調和も大切です。
床框は床柱に次いで目立つ箇所なので、床柱と同じものは使わないのが普通です。他の部材との調和も考えましょう。
落掛は真・行の構えで素材にあまり大きな違いはありません。草の構えでは面白味のある材料を使うこともありますが、奇をてらうのではなく他の部材と調和させることが大切です。
床地板は上に置く花器や置物とともに鑑賞するもの。普通は畳や薄縁を敷くか板を張ります。厳格な床では格式と上品さを重んじ、框の上端と揃えて高麗縁や小紋縁付き畳を敷き、やや略式だと薄縁を敷きます。