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基礎知識床柱・床框・落掛

床柱・床框・落掛

床柱

▼丸太材


京都北山杉が最高とされ、奈良の吉野杉がこれに次ぐ。磨丸太の方がやや安価。天然物の絞丸太は非常に高価なため、現在では人工(生育中の幹に箸状のあて木を巻き付けてつくる)のものが大半。絞丸太は出絞りと入絞りがある。


樹皮を剥いで、林の中に立てかけ、菌を発生させ、ごまを振りかけたような黒い斑点を出したのが錆丸太。その出節をそのまま生かしたのが錆アテ丸太。

赤松
素朴で枯れた味わいの中に、古雅で気品あふれる。皮付き丸太は小間の床柱として人気が高い。天然物は少なく、人工物がほとんど。


中曲がり丸太 皮付き丸太桜の皮の光沢ある赤紫褐色が高貴な雰囲気を漂わせ、部屋のアクセ
ントにも。

香節 (コブシ)
青みがかった灰白色の木肌に灰緑色の大きな斑点があり、素朴で枯れた風雅さがある。表面の皮は伐採時期を誤ると剥がれてしまう。

椿 (ツバキ)
地が灰褐色。素朴で野趣味あふれた材。皮肌は固く細かい手ざわりがある。

百日紅 (サルスベリ)
椿に似ているが木肌はやや薄赤茶色で、灰緑色の雲紋状の斑点があるものと、木肌が濃い赤茶色で斑点が薄黄色の2種類がある。

南天 (ナンテン)
灰褐色の地に白い斑点。磨くと濃い茶褐色の磨丸太に変わる。


赤茶色の上品で枯れた感じ。通直材はまれで曲がった節物が大半。


檜の節をそのまま生かして皮を剥ぎ磨いた丸太。白黄色の木に、節の芯材部分の茶褐色がアクセントになる。

槙 (マキ)
和歌山県高野山に多いので、高野槙とも呼ばれる。檜の出節に似ているが、もっとごつごつした感じで面白い。


自然の風化で濃淡の付いた、天然の模様を丁寧に磨き上げたもの。

榁 (ムロ)
木がねじれたような感じで、イチイのように茶褐色と白色のコントラストが面白く、節と枝と斑紋が雅緻に富む。ねずみさしとも呼ばれる。

ツツジ
自然乾燥させて磨いて仕上げる。ねじれたような凹凸ある樹幹が特徴で、茶褐色に淡褐色の細かい斑点が面白い。

▼竹類

孟宗竹 (モウソウチク)
日本国内にも数多く生育する。竹の皮が赤茶色で真竹より厚く、大型の竹。写真は晒竹。

亀甲竹 (キッコウチク)
孟宗竹の変種で、節の間が交互に膨れ、亀の甲羅のような形をしているためその名がある。

雲紋竹 (ウンモンチク)
竹かん(幹)に菌や黴により褐色の斑点が出来たもの。筍から成長して3年目のものが一番斑点が美
しいといわれる。

胡麻竹 (ゴマダケ)
錆竹とも呼ばれる。自然の菌が寄生し黒胡麻を散らしたようになった竹。淡竹(破竹)が開花して、胡麻竹になったものもある。

皺竹 (シボチク)
真竹の一種。節の間に縦皺が生じた竹。

煤竹 (ススダケ)
真竹・孟宗竹などを屋根の下地や構造材に使い、長年炭や囲炉裏の煙で燻され煤が付着し、茶褐色や紫褐色に染まったもの。最近では人工的に作られたものもある。

晒竹(サラシダケ)
竹桿(かん)を砂と籾殻を混ぜたもので磨き天日に干したもの。

寅竹 (トラダケ)
人工竹。

図面竹 (ズメンチク)
孟宗竹などの表面に希硫酸を粘土に混入したものを塗り、斑紋を付けたもの。