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基礎知識欄間・窓

塗り回し欄間

数寄屋で使われます。小壁の一部を欄間窓として、その形を角形・隅切・隅丸・櫛型とし、塗り回した欄間。そこに木や竹の格子を組み込み、下地窓のようにしたり、掛け障子を片引きに入れたものなどがあります。

下地窓

下地窓は別名、塗り残し窓とも呼ばれ、土壁が落ちてしまったかのように、下地の木舞をそのまま見せる素朴な窓で、数寄屋の雰囲気によく調和します。最もよく見られるかたちです。皮付きのヨシや萩、寒竹や煤竹・胡麻竹・錆竹などで網のように組んだ格子・木舞に藤蔓や葛を外側は縦に、内側は横にからめ巻き付けたものです。小さな下地窓などの内側に障子を掛けてつくった掛け障子も風情があります。

書院窓

書院窓はかつては横連子窓・竪連子窓(武者窓)や無双窓・火燈窓がよく使われました。最近では竪繁・横繁・木連れや書院用変わり組障子などの明かり障子窓が多くなりました。

数寄屋、特に茶室では4〜6種類異なる小窓を設けます。設ける場所によって、風炉先窓・墨蹟窓(床窓・花明窓)・客座の窓などがあり、形によって円窓・半月窓・三ヶ月(新月)窓・欠円窓・楕円窓・月見窓・隅切窓・八角窓・六角窓・短冊窓・櫛形窓・猪の目窓・透窓・突上窓・角柄窓など多数あります。

構造的には、下地窓・連子窓・虫籠窓・塗り格子窓・無双窓などがあります。

かけざや障子欄間

部屋側に掛け障子などの障子を嵌め込んだ欄間。

引き違い障子欄間

欄間に障子を引き違いに嵌め込んだもの(一本引きにしたものもあります)。

障子入り欄間

障子入り欄間は通し欄間や角柄欄間、塗り回し欄間などに小障子や引き違い障子を嵌め込んだ欄間。筬欄間と並んでよく使われます。小障子の框の見付けや見込みなどを普通の障子より細くすることで、繊細なイメージと柔らかな雰囲気を出すことができます。障子の入れ方で、以下の2種類に分けられます。

角柄欄間

壁に嵌め込んだ長方形の枠から、角が飛び出している型。飛び出す方向は、縦の角と横の角があります。明かり採り欄間や間仕切り欄間に使われます。

通し欄間

柱間いっぱいに設けた欄間。明かり採り欄間にも使われ、障子を嵌め込んだものもあります。

その他の欄間

長方形の欄間以外に、櫛形欄間や曲線の欄間等もあります。

筬(おさ)欄間

組欄間の一種。とてもよく見られます。筬とは織物の縦糸を織るときに使う薄い竹片。それをク櫛の歯のように細かく等間隔に組んだデザインです。ふつうは素地ですが、厳格な書院では漆塗りにする場合もあります。